トークショー 10.05.19

随分前に予約をしていたトークショーが今日だったことに昨日、気づいた。

 

写真家の鈴木育朗さんの特別展『終夏』を記念した岸政彦さんとのトークショー

社会学者である岸政彦さんの『文藝』の大阪の暗い話と『断片的なものの社会学』を読んで、岸さんが気になっていたのでとにかく話を聞いてみたくて勢い予約をしたんだった。今日のトークショーの主役である鈴木育朗さんが岸さん『ビニール傘』の表紙を撮られた写真家という、薄い情報であの写真自体はすごくいいなと思っていたが、道すがら、こんな私が予約してよかったのだろうか、、と不安になりながら、本町にあるHIJU GALLERYへ向かった。

 

お二人のトークショーは当初の不安がすぐにどっかいってしまって、笑いの耐えない時間だった。鈴木育朗さんという人柄の良さ、面白さが全面に出て楽しかった。

アート、アートしていない、ざっくばらんな対談で、鈴木さんからは写真における「食いもん」「女の子」が中心な話になり、そこを岸さんが軌道修正しようとするものの、またそこに帰着してしまう。

 

鈴木さんの写真の女の子、食いもんは本当に可愛くて、美味しそう。というか、女の子は可愛い、食いもんはうまい。対象との距離が圧倒的に近く、自分が本当に好きな人や物、場所によっても愛着のある対象を撮る。必ず了承を得てから写真を出す。写真を撮ってしまうと写真の記憶になってしまうというお話も印象的だった。

 

特別展には日常的な風景や哀愁漂う建物、可愛い女の子たち、オムライス、大衆居酒屋のご飯など、一見すると日常のなんでもない風景を切り取った写真が多く、でも、そのなんでもなさのグラデーションがよくて。岸さんが文章で鈴木さんが写真の書籍化は実現してほしいな。

 

白黒の写真集『月夜』を購入して帰った。