シカクでオススメの本 05.10.20

11時に起床。

 

今日は、バーチャルシカクが再入荷のお知らせも含めてサタポの音源を紹介してくれるとのことで、13時すぎから携帯で視聴。早速、新商品と再入荷の紹介からスタートしたので、最初から見てよかった。あらためて、ありがとう。みゆきさん、逢根さん、シカク。

 

シカクの本はおもしろいから、サタポのCDと一緒に購入してくれたら嬉しいとつぶやいたんだが、おもしろい本ってなんやねん、ざっくりしすぎちゃうかと思い立ち、やや反省。シカクで自分が買ったオススメの本をここで紹介することにした。でも、今なら「選書パック」というシカクスタッフが個人の嗜好に合わせて選んでくれる、なんともワクワクする素敵な通販もあるし、そちらもぜひです。今ならおまけも付いてくる。


シカク通販 HP

https://shikaku-online.shop-pro.jp/

 

買ってよかったーおすすめの本

 

『深夜バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』スズキナオ

圧倒的多数ではなくて、二割側から世の中を見つめると言ったナオさんの優しさと独特の視線、なんでもない日々をちょっと面白くすること、訪れたお店へのちょうどよい距離のあたたかさがちりばめられている。学生の頃、芸大であった石川浩司さん(たま)ととうじ魔とうじさんのトークショーへ遊びに言った。その時、石川さんが「股の間から世界を見るように、逆さまに見ると世の中は結構楽しい」というニュアンスで話されていた(うる覚えで失礼します)ことを思い出した。いつもの日常を違うところから見つめる、なんでもない日々の、なんでもない尊さみたいなものがこの本にはある。

 

『酒の穴』スズキナオ×パリッコ

酒場ライターのナオさん、パリッコさんがくだらない話をしているだけなんだけど、なんでこんなに面白くて飽きなくて、いいんだろうか。お酒を飲みながら読むのがよい本。

 

『酒場っ子』パリッコ

職場の休憩中にこっそり読んでいると、あれ、ここは酒場だったかなー、とりあえずビール!いや、レモン酎ハイ!と言いたくなるくらい、現実逃避できた。今、思うと、なつかしい状況だが、パリッコさんの酒場エッセイは、読み始めた瞬間から、あの赤提灯が揺れる、酒飲みが集う世界に連れてってくれる。まだ行ったことのない酒場に思いを馳せて、またビールおかわりと言いたくなってしまう。

 

『どこにでもあるどこかになる前に』藤井聡子

タイトルと装丁がよくてずっと気になっていた本。さらに、帯にあった「女、未婚、子なしのうえ、若くもないのにまだ自分探しをしている。それらを兼ね備えた私は、富山では落ちこぼれ認定されるのだと知った。」ささる。Uターンアラサー・ライターの第二の青春というキャッチコピーにも惹かれた。ちょうど自分が一人暮らしから実家に帰ったこともあり、県外ではないけど、大阪でも北から南の田舎に帰ってしまってきた感に似てはいないが、ちょっとリンクするような部分もあった。近所のおばあちゃんが昔は仕事から帰ってきた時「えらいなー」だったが、今は「しっかり稼がないと!」に声かけが変わった。閉塞感、これからどうする!みたいな部分がとてもしみて、奮闘しながら立ち上がっていく藤井さんに感動をした。自分の住む町はちょっとダサくてヤンキーが多いというほぼ偏った視点が変わって、もっかいこの町を捉え直してみようとも思えた。今、散歩をよくする中で自分の生まれ育った町の変わった、変わらない場所を見ながら、よく見ると自分の好きな風景はここにたくさんあると実感している。

 

『ごろごろ、神戸。』平民金子

平民さんからトークのイベントで初めてお会いした時「本を買いました」と伝えたら「とりあえず買っといたらいいですよ、読まんくても」と言われたのだが、実際、まだ全部読めていない。とにかく分厚い。でも、読み始めると平民さんと娘さんを通してみえてくる神戸が愛おしくなるのはなんなんだろう。今まで漠然としてあったイメージのおしゃれな街、神戸を代表しているのではなく、日常の町としての神戸。商店街や通う店の人たちの顔が見えてくる。それは自分がさびれた酒場、哀愁漂う町が好きなのもあるんやろな。想像することしか出来ないが、お子さんを持つ親の喜びやとまどいが細やかにあたたかく伝わってくる。少しづつ読んでは、自粛要請が解除されたら、神戸のあのお店やあの場所に行きたい。

『ベルリンうわの空』香山哲

ベルリンに特化したことじゃなくって、今、自分の周りの環境や状況を見つめ直すような、よりよい生き方ってなんなんやろうと思った本。その都度、思い出されるような。きっとこれからも何度も読む本だ。

 

『子宮にちんぽが届くまで』大和彩

タイトルが強すぎてびっくりしてしまうかもしれないのだが、シカクのミニ寄席で代表のみゆきさんが薦めていたので気になって買った本だ。寄席でも紹介されていたように、とにかくいろんな切り口から物語が語れる本で、女性特有の婦人科系の病気についての知識や方法、出会い系アプリ、自分の病に対してどう向き合うか、克服していこうとする姿勢、リスト化をして自分の問題を明確にピックアップしていくなど、重くなりがちな話を軽やかなタッチで書かれていて、読後は結構爽やかな印象もあった。人によっては濃いと思われる性描写もあるので苦手な人もあるかもですが、気になった人は一度、読んでみてほしい。

 

『こども時間』『ダンスの準備』森雅之

小学生の頃、アトピーの治療にもいいからといってちょっとだけ通ったスイミングスクール。練習の合間にあったフリータイムは、みんな、お友だちたちときゃっきゃ騒ぐ中、内気だった私は友だちがあんまり出来ずに、ごぼごぼごぼーっとプールの中に沈んで遊ぶということをひたすらしていたことを思い出す。あの、ごぼごぼとした時間、水の中で浮遊する、心地よい音。 息が続くまで遊んで、また苦しくなったら息継ぎをして繰り返した。『こども時間』にある4「水の中」で少年が遊ぶ姿に「あぁー」と重なる自分。幼い頃の、忘れていた、かけがえのない時間を思い出す、きっかけになるような本だ。『ダンスの準備』も合わせて、読む人の呼吸に合わせてくれるような余白のあるイラストと物語で、今、おうちで読むのもちょうどいいよ。