手から、手へ

いつだって やさしくなりたい、やさしくありたい。

なるべくなら、事を荒立てるなんてことしたくない。

いつだって やさしくされたいし、やさしさに触れたい。

なんてわがままかしら。

今日は昭和の友からお便りと本が届いたよ。

ちょこっと抜粋。

やさしさを捨てたくなったり
どこかへ置いて行きたくなったり
またそうしなければあゆめないほど
そのやさしさがおもたくなったら
そのやさしさがくるしくなったら

そんなときはひかりのほうをむいていよ
いないいないばあ

おまえたちを
こころゆくまでえがおでいさせた
ひかりのほうをむいていよ

『手から、手へ』
詩 池井昌樹 
写真 植田正治 
企画と構成 山本純司 

この本、ほんまに素敵な本です。
尊い、尊さがありました。

ぬくもりがある、温度が、人肌のように感じられる本なのかもしれない。
植田正治さんの写真は大好きで、日本橋で開催されていた展示作品を見た時、写真集だけでは気づかなかったあったかさがあった。この絵本は、そのこぼれ落ちたところを、ひとつ、ひとつ丁寧に言葉で言葉をとおして感じられた。

彼女からの贈り物は、いつも絶妙なタイミングで届き、随分前に図らずも失恋した翌朝に届いた愛の絵本、途切れた思考回路をつなぐひらめきの絵本、やさしさがわからんくてメソメソしてたら届いた本。そのときどきでほしかった言葉がそこにあった。

心からありがとう。

追伸
とてもよい本ですってつぶやいたら、企画と構成をされた山本さんから、直接お返事があってびっくり。あ、うれしい輪が広がったの瞬間は突然やってくるのです。生誕100周年記念、鳥取県にある植田正治さんの写真展には今年、行きます。