うー先生とわたし

うー先生とは宇都宮泰先生である。(http://www.utsunomia.com/)

今は5000円で手に入れる!ガイガーカウンター製作ワークショップを関西のみならず、関東でも開催されています。

先日、このワークショップに参加して、その内容ややったことに関しては、先生のHPに飛んでいただけると、大体わかるかなーなので、先生との出会ひなんかについて書いてしまおうかと思う。ガイガーカウンターとはほぼ関係のない日誌になるかな。

うー先生との間接的な出会いは高校生の頃。
高校から帰宅して、兄の部屋に行ったら、おもしろいCDあんでーと言って聞かせてくれたのが、このCD『JON & UTSUNOMIA ( )』だった。この音楽を聴くと、脳に影響が出てやる気がなくなるよっ、まぁ、わからん奴にはわからんけどなっという言葉を残して、兄は出かけていった。その後ろ姿を見送り、じっくり聴いてみることにした。脳に影響?はぁ?だった。いわゆるJ-POPや渋谷系ぐらいしか聴いていなかった高校生の私にとって、?の連続。何はともあれ、とりあえず、試聴だとスピーカの前に座り、試聴開始。わからん奴にはわからんからの言葉のためか、分かりたいから、当時なんとなくやる気がなくなったような気分になって、いや、なってやるぐらいな心持ちで聴いたから、おばかさんだな、うちですが、初めて聴く、独特な歌声とヲルガンの響きに、こんな音楽も世の中にはあるんだなーってびっくりしたのと、おもろいって感じたことを今でも覚えている。

そこから数年が経ち、今はなき新今宮BRIDGEで、先生が講師として参加されたフィールドレコーディングに関するワークショップを受講した。ここから、録音をするっていうのはちょっとした技術と、とにかく、何度も音を採集することでしか得られないんやなぁだった。めんどくさがり屋なので、気が向いた時に採集をして、今もそのスタンスは変わりない。

トクサノカンダカラの講演、ライブ、音楽理論は、正直、私の頭ではついていけなくて、まだ理解というのか、出来ていない部分が多数であるけれど、音楽を音楽的にも学術的な面からも捉え、考え、聴くんだっていう視点が生まれた。

波面制御システムは、とてもシンプルに言うと、スピーカーの配置や向きを適切なところに置き、どこにいても適切な音量、音の質感を再現できるスピーカシステムで、例えばライブハウスでは、前らへんが音量でかくて、後ろに行くと小さくなるのだが、このシステムを導入すると、前でも後ろでも真ん中、つまり、どこにいても同じバランスの音で音楽が楽しめるのであります。すごいよね。ブリッジで体感した時、すげぇーってなりました。最近ではOTTOMIMIの相方みきさんがやっている別ユニットのイベントでライブハウス地下一階が能美さんによりそのシステムが構築されてていたけど、すごいよかった。耳に心地よいんですよ。音のひとつ、ひとつが聞き取れるから。

そんなこんなで先生がプロデュースされていたアフターディナーのCDを聴き、それもまた衝撃で、うはーこんな音楽もあるんだってなった。HACOさんの声もめちゃ好きで、その流れもあって、HACOさんも講師として参加されていた現音採集学会(赤瀬川さんの路上観察の音版みたいな)のワークショップでフィールドレコーディングの楽しさを知ったな。

で、そうそう先生のプロフィールにあるように『音楽家として音楽プロデューサーとして1970年代より活動。アフターディナーや少年ナイフ、JON & UTSUNOMIA「( )」、トクサノカンダカラ(art bears 「the art box」)など、各プロジェクト毎に独自の音楽理論を展開、音楽表現に直結した音響システムを開発・導入する。その独創的な芸術性とクオリティの高いテクノロジーの融合は国内外で高い評価を獲得し、音響の鬼才と称され周知にいたる。最終音楽を目指す。』

音楽理論やその音楽表現に見合った音響システム、私の頭ではきちんと理解出来ていない部分が多々であり、影響を受けたというよりは、音楽を音楽的にも学術的な面からも捉え、考え、ただ音楽を楽しむ、聴く、ということのもっと奥のところかな。というのか、私にとっては別の視点からか。音楽はとてつもなく、広く、奥が深く、それは、自分の音楽ということではなく、音楽を捉える自分の視点のひとつとして。それは、とても怖いものでもあり、果てしないことなんだなと思った。

ちょうどBRIDGEが閉まる直前ぐらいに、先生と初めてきちんとお話をする機会があり、そこからは、ばきりのレコーディングや他のことも、いろいろ教えて頂き、時に七輪で焼いたさんま、おいしいカレーをみなで食べたりと、足繁く通った時もあり、最近はあまりお家へ遊びに行っていないけど、それがちょうど2、3年ぐらい前かな。

というわけで、ばきりのレコーディング自体は、かなり前から構想していて、今でこそ、やっとこさで進んでいるわけですが、先生と知り合えたことでフィールドレコーディング、私のひとつの夢であった野外で録ることのおもしろさを実感できた。一度、野外録音の楽しさを教えてあげようと、先生が仮レックしたてくれて、めっちゃめちゃ楽しくて、そこから生まれた曲が今、シーバーを使っているトリ(仮タイトル)ですよ。山を走って作ったのだ。ははは。

その場でしか生まれない音楽、その場に見合った録音、その場に合う音楽、そういう視点から曲を作ってみる、レコーディングをやり直す、考え直して、今、レコーディング中で、ちょうど間をとって、ストイック過ぎず、ゆるすぎずの自分たちのやりたいように出来ているのが今なのかもしれない。

遠回りしながらも、好きなことしか人はできないのかもしれないし、いや、自分がそういう質で、とても遠回りしながらも目的地に向かっていけるのも、先生のおかげでもある。なんだか先生へのありがとう日誌になっちゃった!!

うむ。

ちょこっと話しておくと、うー先生が企画されたガイガーカウンター製作に参加した理由は、やっぱし、今のいろんな状況に関して自覚的でありたいってことと、目に見えないものに対する適切な方法を知りたかったし、どうやって作るのかな、私でも作れるのかなという興味と好奇心から。工作苦手な私でも作れたので作業自体はシンプルで、後は電気の図が読める人とかなら、より誰でも作れるなーだす!!