いろんなかみさまにお願いをした

小学生2、3年生の頃だった気がする。

母親の具合が悪く、横になっているのを心配して、普段は全く気に留めていなかったたくさんの神さまたちへ向けて、布団の中で、かみさま、かみさま、ほとけさま、おにさま、やまのかみさま、うみのかみさま、かぜのかみさま、おにのかみさま、たくさんのかみさま、おかあさんがはやくげんきになりますように・・・と願い事をつぶやきながら、いつの間にか寝ていた。それが効いたかどうかは別として、軽い風邪ひきだった母は、わりかし、すぐ元気になって、ほっとした気持ちになった日のことを思い出した。今、振り返ると、特にひとつの信仰もない自分が神さまたちへ熱心にお願いする図々しさにあきれつつ、どうしてもにっちもさっちもいかない困った時、人は神に祈りをささげるものだと最近、読んだ上田信治さんの『成分表』にもそういうお話があって、そうだ、そうだとうなづいた。

 

切実な祈りや願いは自分のためより、誰かのためにあって。

せやねんなーと思う。