静かな時間

この前、初詣がてらお山のハイキングコースを歩いていた瞬間に、それは一瞬やってきた。ずんずん進んでいくのに追いつけず、山道で気がついたら一人。遠くで走る車の微かな音、鳥の声や人の声が聞こえていたのが消えて、急に風も止んで、ほんの数秒だったのか1分くらいあったのか、わからず、一瞬世界が止まったみたいに静かになった。不安と安堵が入り混じるような感覚。なんもないことの清々しさ。顔を上に伸ばしたら、高くそびえる木々たちと微かに揺れる葉っぱ、隙間からのぞく青い空が見えた。