12月の末の末に見た映画

元町映画館で上映中の濱口竜介監督『ハッピーアワー』を観に行ってきた。

リバイバル上映で5時間17分という長尺を全く感じさせない、時間感覚が失われて、あっという間やった。

30代後半の女性たち4人が主人公で、彼女たちの人生を巡る物語。私と同世代だ。

結婚、恋、家族、仕事、自分、友人、人生の中できっと実人生でもおこりうるかもしれない苦難がおこり、全てまるまる解決ではなく、ところどころ壊れてねじれたまま終わっていく。でも、最後はとても清々しい気分になれる映画だった。

神戸の街で繰り広げられる風景は、その街と同化するような感覚もあって、でも、彼女たちを通して新しい視点で自分に近づいてきて、それがずっと楽しめるというのか、続きが待ち遠しくなるような映画。一部、二部、三部といったん外に出て待つ時間があるのだけど、待ちきれなくて続きが気になってしかたないし、また、すうっと映画が始まるとすぐにその物語に入っていける不思議。ワークショップがきっかけで参加された方たちがメインのキャストを演じている、そこの、演じる、演じないの境界線の独特さも気になった。

 

男性から女性の怖さがあるという意見も目にしたり、聴いたり、それもなんとなくわかる。でも、うずうず抱えていたいろんな重石をおりゃーっってぶっ壊し、なんとか立て直していく女性たちの姿が、自分たちの再生のように見えて、それぞれの姿がたくましく凛々しくてよかった。

 

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