入船3 04.27.19 

つづきの話。

その後、船は尻無川を進み、なみはや大橋阪神高速16号大阪港線が見える海の上で停留。両脇にあった陸地がなくなり、抜けている。一気に海へやってきた感が出た。梅ちゃんがイヤホンを外して夕日を楽しみましょうと言う。それぞれが沈みゆく夕暮れを眺めながら静かな時間をしばし過ごす。「この海を抜けると世界のどこにでも行けるんですよ」という言葉にハッとする。そうそう、いつだってどこにでも行けるんよなぁ。「みんな船の片側に寄ってみてください。沈んだりしちゃって」で寄ってみたが、もちろん大丈夫。

 

 静かな時間と海の音、そよそよと顔にあたる風、高速道路を走る車、沈みゆく夕日。さて、そろそろ帰りましょうか、で、再び船は進みだし、ドーム前千崎港に到着。港には中学生のみんなが集結していた。船を降り、よい時間を過ごしたなぁとぼんやりとしたまま駅へ向かう。改札をくぐった後に入船の本を買うのをすっかり忘れていたことを思い出す。急いでもどり、セーフ。帰途につく。

 

追記

入船。言葉が落ちてくる感じ。流れは各自にゆだねてくれる余白があって。なんかようわからんところにひたすら向かっていく一生懸命さ、きらめきはきっと根元的なことかもしれない。言葉からこぼれてしまった言葉があつまって、奏でられているような音楽の時間だった。