入船2 04.27.19 

乗船したらラジオとイヤホンを渡された。

最初のうち、ノイズがひどくて聞き取れず、一度交換してもらう。

船が動き出すとわくわくする。何がはじまるんだろうって。

最初はぼんやりと船から見える川の裏側から見る大阪の街並みを眺めながらイヤホンから聴こえる声に耳を傾ける。大阪が推していた水の都という宣伝文句はピンとこなかったが、活気づいていた場所もあったんやなってことを前回、乗船した時にきいた昔の話から思い出す。道頓堀に近づく頃あたりから、ちらほら中学生たちの子達がいる。手を振っているので、こちらも振りかえすと突然、倒れてしまう。道頓堀の賑わいの中でみんな、ばたばたと倒れるのはなんとも楽しい。

しばらくすると、いかだに乗った中学生のクルーが登場。スニーカーはほぼ水に浸水して、寒さが大丈夫かしらと思ったが、元気にエグザイルのチューチュートレインでくるくる回るパフォーマンスをやってたり、なんだろう、もう、彼、彼女、みんながなんとか楽しませようと一生懸命やっている、そのものがもうまぶしくて、いいなぁって。大きな水門で一度さよならをしたが、しばらく進んだ大きな橋で、橋の上を歩くみんなと遭遇し、またもや手を振りかえすとみんながばたばたと倒れていった。いいぞ、みんな。

そういえば、知人が小さい子供が手を振っていたら必ず振り返してあげるという話をしてた。だってその子にとっては大切な思い出になるから。

その話を聞いた時になるほどそうだなって思った。恥ずかしがらずに手はふったほうがいいんだなって。なかなか出来ないが、この日はぶんぶん手をふった。

続く。